

● なんともひじょうにローカルなゴール風景
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ガンは現在、死因のナンバー3にはいるという病気。
その対策を掲げた組織が「Cancer Council」
「Council」は役所という意味ですが、「ガン評議会」と訳されています。
以前は「Cancer Found:ガン基金」という名でした。
ここで、ガンというと「皮膚ガン」がすぐに頭にひらめく。
南極上空のオゾン層に穴があき、太陽光線に含まれる紫外線の量が多くなっている。
ですから、なるべく素肌は出さないようにと呼びかけている。
でも、ビーチのどこへいってもビキニ、男は裸である。
何しろ、半ズボンが公式に制服として認められているところ。
なにかむなしいが、「皮膚ガンに気をつけましょう」と呼びかけはしている。
このガン評議会が1年に1回全国各地で開催するのがこのファンラン。
以前は「テリー・フォックス・ラン」といった。
テリー・フォックスとはカナダの青年の名前である。
彼はガンにかかり、片足切断という悲劇に見舞われた。
でも走ることが好きな彼は、それでも走ることをやめずに、義足をつけて走ったという。
その話にまつわるネーミングである。
テリー・フォックスはWikipediaに載っている。
なを、インターネットでみたらテリー・フォックス・ランは日本でも広くおこなわれている。
今回の開催場所は日本の企業が開発したローヤルパイン・リゾート。
プリンスホテルがあるところ。
年々で場所は変わるが、去年と2回連続である。
ここは近いから出かけていくが、場所が変わると参加しない。
内容はただヒマつぶしにいくだけ。
距離は10キロと5キロ。
でも実際は8キロと4キロ。
日本でこの手のイベントを行うと、そこそこの参加者が見込めるが、ここはまるでダメ。
なにしろ、ときに肥満大国ワーストトップに名を連ねることもある、デブ大国。
「なんで4キロも歩かねばならんのか」
でも気にしている人も多く、朝方夜明けごろから住宅地を散歩している風景は普通のこと。
散歩から帰って「ああ、いい運動をした」とゴッテリとしたものを食えば、なんということはない、肥満になるために運動をしているようなもの。

● ガン評議会が開催しているファンラン申込書
リゾートのゴルフコースにしつらえられた、ゴルフカート用道路がコースになる。
幅3mほど、心地よいアップダウンがあって、クネクネしているので散歩にはもってこいのコース。
もちろん、延べで4キロはないので、同じところを周回するといった感じになる。
8キロではそれを2周することになる。
走ったり、歩いたりである。
当日申し込みである。
一人10ドル(1,000円)。
雨がふったら、もちろんいかない。
予約制ではないので無駄にならない。


● チラリホラリの参加者
さて当日。
ゼッケンをもらった参加者が、ちらりホラリとスタート地点に集まってくる。
その程度のもの。
コースの説明があって、なんとなくスタートする。
参加者は全部合わせても50名といない。
走ったり、歩いたりでゴルフコースを見て回る。
ゴルフは2、3度連れられいってやっただけ。
ありゃ、老人がやること。
テレンコテレンコ歩いてなんになる。
玉を穴に入れるだけ。
「能書きが先行する」変なスポーツ。
芝の具合をみてああだこうだ。
そうい口先の多い人がやるスポーツ。
言い換えれば、そこが「老人向き」ということでもある。
「下手くそさ」を言葉の数で補うスポーツ。
老人が「ウンチクをかたむける」スポーツ。
芝生でやるパチンコだと思ったらバカバカしくなってやめてしまった。
「お金持ちがミエでやる」ということにしておけば、十分みんなが自己満足できるというもの。
ミエがなければできないスポーツ。
まともに常識で考えたら、バカバカしくなってくる変なスポーツ。
日本なら、オフィスから芝生に出て、いい空気を吸い、自然と戯れるということは大切である。
24時間働けますかから、時に広々としたところで時間をすごすのは精神的にリフレッシュできる。
それが明日への活力を生み出す。
ゴルフの効用は大きい。
でも、ここではなにもゴルフコースに出ることはない。
街中がゴルフコースみたいなもの。
街中散歩で十分。
あえて自然や緑を求めなくても、勝手にむこうからやってきてくれる。
とすれば、ゴルフとはここでは「デブ防止対策散歩」ということになる。
ところが、なんてことはないカートで次々ホールを回る。
歩くよりも「玉入れ」に熱中する。
なら椅子に座って、パチンコするのと変わらない。
参加者の数からして、前後に人はいなくなる。
あの広いゴルフ場に散らばるとそうなってしまう。
もちろん日本人など、東洋人などいない。
参加している私が少し「イジョー」かも。
孤独のランニングと散歩をする。
なぜにこんなことをせにゃならんのだ。
簡単なこと、10ドル払っちまったんだ、もとを取り返せ。
そう言い聞かせて、歩いて走る。
さて、1時間少々。 8キロを走って歩いてゴールする。
歩きと走りは半々くらいかな。
ちゃんと若いかわいい美人お姉さんがテープでお出迎えをしてくれる。
どうしようもないほどのローカルなゴール風景。
ノドがかわいたでしょうと、オレンジのサービスもある。

● 参加証明書をもらう
参加したという証明書をもらう。
テントの下へいくと、係りの人が名前を書き込んでくれる。
これ何か謄写版で刷ったような証明書。
謄写版て、知らない?
いったい何の証明になるのだろう。
ただ、もらってニタニタ笑うだけ。

● 証明書:イージーということなかれ
でも、参加したぞ、という気分が大切なのである。
「気分が」
安物ということなかれ。

● このオッサン、ご存知ですか。
といわれても、知るわけないよな。
以前、名前を聞いたが、忘れている。
というより最初から覚えていない。
この手のイベントの「名物おじさん」
マルタ出身。
いつも国旗をかかげて歩いている。
参加者チラホラの写真にみえる人。
名物が嵩じて、シドニー・オリンピックでは「聖火ランナー」に名を連ねていた。
その写真が大きく新聞にも載った。
我が家での呼び名は「マルタのヒゲのオッサン」
こっちだって「ヘンなジャパニーズ」といわれていることだろう。
まあ、1年ぶりのご挨拶といったところ。
「ご機嫌、よろしゅう」
「ヘルニアの手術しちまってよ、やっと歩けるようになったんだ」
「それは、大変なこと。もう、大丈夫なのでございますか」
「疲れた」
といって帰ってくる。
まだ9時にもならない。
暖かい風呂に入って、いい湯だな。
出ると、冷蔵庫から冷えたワインを取り出す、マンゾク、マンゾク。
ビンボー人の酒、箱の酒、カスクという、4L入り。
「おはらショースケさん、朝湯、朝酒大好きで、それで身上つーぶした」
どうにも、いい加減な内容。
書いてる本人があきれてしまうほど。 まあ、そういわずに。
こういういい加減な内容でダラダラ書けるのも「芸のうち」なのです。
と、そう思い込んでいるのだが。
まじめに。
「Cancer Council:ガン評議会」のホームページは下記になります。
『
★ Cancer Council Australia
http://www.cancer.org.au/Home.htm
★ The Cancer Council Queensland
http://www.cancerqld.org.au/default.asp
』
昔は、ゼッケンの下に名前を書く欄があった。
身内で、知人友人でガンでなくなった方がいたら、その名前を書いて追悼するという意味があった。
書かないといけないかなと思っていたら、今年はその欄がなくなっていた。
ゼッケン番号の下に自由に書いてもいいそうである。
こういうのは心理的に重いですよね。
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